西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

西村兄妹の交遊録②_遠藤晋輔さん【前編】

2018.12.08

 

わたしたち西村家が日々お世話になっている方々は、

さまざまな業界で活躍されています。

そのお仕事ぶりや人柄に刺激をいただく

皆さんとの対談を、

「西村兄妹の交遊録」としてご覧ください。

 

前回の細辻さんに続くお二人目は、

扇子商「遠藤新兵衛商店」

9代目候補である遠藤晋輔さんです。

 

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同店は、江戸末期から続く扇老舗。

各御本山の御用達として寺院用の独創扇子を主に、

伝統の技法を用いて京扇子などを

手造りされています。

 

今回、対談させていただいたのは

家業を継ぐため修業中の若手です。

遠藤くんは、大学院で化学を専攻していたという

モノづくりに携わる面子の中でも

異色の経歴の持ち主。

 

「塗料を製造している会社に内定をもらっていましたが、

そこと自分の家(会社)を比較してみて

面白そうな方に進むことを決めました。

丁稚奉公に行ってないのが少し不安ですが、

選択は間違ってなかったと思います」

 

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そんな彼には、実際に仕事を始めてみて、

驚いたことがあるといいます。

 

「幼い頃から身近で仕事を見てきたんですが、

自分が思っている以上の人との出会いにビックリしています。

人と会うのも話すのも好きなので、

多くの出会いが楽しくて

この仕事を選んでよかったと思っています」

 

京都商工会議所青年部では、盛り上げ役の遠藤くん。

なぜ、青年部に入ったかと訊いてみると、

 

「ご近所の知人に誘われたからですね。

そのときそのとき訪れるご縁とタイミングを大切にしたくて。

したことないのに止めよう、という考え方は嫌いなんです。

誘われれば、何かのご縁だと思って行くようにしています。

とりあえず足を運んでみて、

合わなかったら辞めようと思ってましたが、

いろんな業種の人たちと会えて面白いです。

関係性も濃いですし、活気があって

いつもたくさんの刺激をもらっています。

その面子は本当に多彩で、

どんな仕事をするにせよ、

すべての仕入れがまかなえるくらい(笑)」

 

知らない世界を垣間見ること、

自分にはない考え方や価値観を見聞きすること。

それらは、新たな挑戦や拡がりに

欠かせないものです。

「時代とともに、まちのあり方や

商いの方法も変わってくる中で、

生きるお手本が身近にいることの有り難さを感じています」

という遠藤くんの言葉に、

京都の文化や伝統が経済となることの重要性を

改めて感じ入りました。

 

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後編は、さらに詳しく

仕事に対するスタンスについてご紹介します。

 

 

ヒロカズ