西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

西村兄妹の交遊録②_遠藤晋輔さん【後編】

2018.12.15

 

前回に引き続き、

遠藤くんとの対談の様子をお届けします。

 

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自身のことを、

「職商人(しょくあきんど)」

という遠藤くん。

 

「僕たちが扱う扇子は、

88もの工程が分業制です。

それだけ多くの職人さんたちが存在し、

得意先も少なくありません。

造るだけでなく、職人さんのところを回り

卸も小売も行います。

だからこそ、人と人との繋がりが

財産といってもいいと思います」

 

キモノ同様、扇子業界の今後も

手放しで明るいものではないでしょう。

 

「30年後には30%の寺院が

減少すると言われています。

時代に必要とされなくなる

危惧はありますし、

材料と職人の確保に危機感を

抱いているのは事実です。

職人を隠す文化をなくしたいし、

情報交換や共有も必要ですし、

職人さんたちの収入の確保も

課題だと思っています。

職人さんにスポットライトを当てたいんです。

ストーリー=過程を知りたい

というニーズが

高まっているのを感じているからこそ、

これまで秘してきたところをオープンにして

職人の育成について考えなければ」

 

未来を冷静に見詰めている姿に、

「しっかりしてるなぁ」

と感心させられました。

そうして、自分自身はどうかと考えました。

謙虚な気持ちで経験を重ねていけば、

出来ることも増えて、

可能性も拡がっていきます。

 

「青年団体に入っていると他団体との

交流も得られますし、

用達会ではお坊さんらエンドユーザーに

直接会えることも

モチベーションになっています。

個人の力では限界があることも

力強いコネクションによって

成せるかもしれません。

力を活かせる人と繋がれるメリットは

大きいです!」

 

フットワークが軽く、明るく、

前向きな遠藤くんは青年部はもちろん、

どこに行っても

「かわいがられる」存在。

日頃からお世話になっている人たちに

早く恩返しができるようになりたいと言う

義理堅さや真面目さも持っています。

コミュニケーション力に長けて、

好奇心も旺盛。

研究に力を注いできた経歴から

俯瞰かつ客観的に物事を見極め、

学びがパーソナリティの軸として

しっかりと根付いている印象を受けました。

 

直向きな若者との交わりが

自らの足許を照らしてくれるような気がする

有意義な語らいの場となりました。

 

 

ヒロカズ