西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

西村兄妹の交遊録①_細辻伊兵衛さん【後編】

2018.11.24

 

先週に引き続き、

「永楽屋細辻伊兵衛」14世細辻伊兵衛さんとの

対談の様子をお届けします。

 

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20年前に社長の座に就かれた細辻さん。

「世界一の手拭い屋というブランドになろうと思いましたね。

手拭いの生地は、オリジナルのものを製造して、

とにかく納得のいく生地開発に注力してきました。

丈夫であることはもちろん、

キレイに染色できることにこだわっています。

シャープな線をいかに美しくするか。

深みのある色を出すことが肝心です」

 

商品開発に余念のない姿勢。

そこにはどんな想いがあるのでしょうか。

「世界的遺産を次世代に受け継いでいくためにも、

自分はリリーフ投手だと思っています。

考えていることは、

いかにしたら継続できるかということ。

そのために、皆で良くなっていくこと。

分かりやすく伝えていくこと。

京都は文化が経済になるまち。

狭い分、人脈も濃く、

夜遊びでさえも勉強になります。

日々、京の文化を学ばせてもらっています。

その文化を、繋ぐこと。

それこそが、私の野望と言えますね。

繋ぐまでは頑張っていこうと、と。

仕事はもちろん、家のことも

しきたりを繋いでいくことの難しさを感じつつ

当主として出来ることをしていきたい」

 

「しきたりを繋ぐ」

今回の対談の中で、最も刺激をいただいた言葉です。

文化を伝えるということは、

そういうことなのかもしれません。

繋いでいくべき「しきたり」がある豊かさを

再認識したひとときでした。

 

 

ヒロカズ