わたしたちが日頃からご縁をいただいているのは、
多種多様な業界で活躍されている方々ばかり。
その魅力的なお人柄はもちろん、お仕事に対する
姿勢やポリシーなどにいつも刺激を頂戴しています。
それらの交流に感謝を込めて
改めてお話をお聞かせ願う「西村兄妹の交遊録」。
第五回のゲストは、
四条烏丸に本社を構える呉服商「外市」の井上社長です。
創業時の近江商人の経営哲学「三方よし」を受け継ぎ
ユーザーが本当に求める心豊かな商品展開はもちろん、
長刀鉾保存会の立ち上げに尽力されて
積極的に地域との交流を図っておられます。
7月の一か月間に亘って行われる日本三大祭「祇園祭」。
今月半ばも過ぎると、各鉾町からは
コンチキチンのお囃子が響いてきて、
祇園祭の別名ともなっている夏の味覚「鱧」をはじめ、
粽や鮎といった和菓子が出回ります。
当店でも、祇園祭の後祭ツアーを企画し、
祭禮(さいれい)デザイナー・前田好雄さんをゲストにお迎えして
10ヶ町の山鉾の懸装品を中心に
見どころを解説していただきます。
そんなご縁から、今回は祇園祭との関わりが深い
「外市」の井上社長のもとを訪れました。
「我が社と祭とのお付き合いは、昭和42年からで、
当時の6代目社長だった横山が
保存会の発足に注力しました。
ご存知のとおり、祇園祭は町衆の心意気で
長らく受け継がれてきた祭です。
ですが、町の発展に伴って四条通に住む人が減っていき
町内として残していかないといけない
と思ったのがきっかけでした。
そのご縁から、弊社社長が保存会の代表を
代々務めさせてもらっています」
自社のお商売だけに留まらず、
町の文化や伝統を守り、次世代へと繋いでいく。
そう容易なことではないと思います。
「長刀鉾保存会には、お稚児や禿(かむろ)を経験した人も多く
我が社の社員もボランティアでサポートしてくれています。
元々、祭への親しみが根底にあるのでしょうね。
社員の中には億劫やなぁと思っている者も
いるかもしれませんが(笑)
参加するという想いを持った人を
育てていくこともまた、当社の使命。
ボランティアの重要性や意義を絶やさぬよう
伝えていきたいと思っています」
祭への愛情は、東急ハンズが入っている
3階に観覧スペースを確保されていることからも窺えます。
また、5階ロビーからも四条通を見下ろせるとあって
祇園祭期間中は多くのお客様がお越しになるそう。
せっかくなので、その眺めを拝見してきました。
その様子は、次回お届けします。
お楽しみに!
ヒロカズ