西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

西村兄妹の交遊録⑤_井上俊郎さん【前編】

2019.06.15

 

わたしたちが日頃からご縁をいただいているのは、

多種多様な業界で活躍されている方々ばかり。

その魅力的なお人柄はもちろん、お仕事に対する

姿勢やポリシーなどにいつも刺激を頂戴しています。

それらの交流に感謝を込めて

改めてお話をお聞かせ願う「西村兄妹の交遊録」。

 

第五回のゲストは、

四条烏丸に本社を構える呉服商「外市」の井上社長です。

創業時の近江商人の経営哲学「三方よし」を受け継ぎ

ユーザーが本当に求める心豊かな商品展開はもちろん、

長刀鉾保存会の立ち上げに尽力されて

積極的に地域との交流を図っておられます。

 

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7月の一か月間に亘って行われる日本三大祭「祇園祭」

今月半ばも過ぎると、各鉾町からは

コンチキチンのお囃子が響いてきて、

祇園祭の別名ともなっている夏の味覚「鱧」をはじめ、

粽や鮎といった和菓子が出回ります。

 

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当店でも、祇園祭の後祭ツアーを企画し、

祭禮(さいれい)デザイナー・前田好雄さんをゲストにお迎えして

10ヶ町の山鉾の懸装品を中心に

見どころを解説していただきます。

 

 

そんなご縁から、今回は祇園祭との関わりが深い

「外市」の井上社長のもとを訪れました。

 

「我が社と祭とのお付き合いは、昭和42年からで、

当時の6代目社長だった横山が

保存会の発足に注力しました。

ご存知のとおり、祇園祭は町衆の心意気で

長らく受け継がれてきた祭です。

ですが、町の発展に伴って四条通に住む人が減っていき

町内として残していかないといけない

と思ったのがきっかけでした。

そのご縁から、弊社社長が保存会の代表を

代々務めさせてもらっています」

 

自社のお商売だけに留まらず、

町の文化や伝統を守り、次世代へと繋いでいく。

そう容易なことではないと思います。

 

「長刀鉾保存会には、お稚児や禿(かむろ)を経験した人も多く

我が社の社員もボランティアでサポートしてくれています。

元々、祭への親しみが根底にあるのでしょうね。

社員の中には億劫やなぁと思っている者も

いるかもしれませんが(笑)

参加するという想いを持った人を

育てていくこともまた、当社の使命。

ボランティアの重要性や意義を絶やさぬよう

伝えていきたいと思っています」

 

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祭への愛情は、東急ハンズが入っている

3階に観覧スペースを確保されていることからも窺えます。

また、5階ロビーからも四条通を見下ろせるとあって

祇園祭期間中は多くのお客様がお越しになるそう。

せっかくなので、その眺めを拝見してきました。

その様子は、次回お届けします。

お楽しみに!

 

ヒロカズ