西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

みずほの国

2021.09.18

 

毎週土曜日更新!

【西村兄妹キモノ店の四方山話】

 

子供たちのため、自分のために、

少しでも土に触れる機会を作りたいと、

数年前から滋賀県にある棚田の

オーナーになっています。

 

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5月には田植えがあり、

両親・兄家族・私たち家族総出で

水が張られた田んぼに長靴や裸足で入り

横並びで一歩ずつ後ろに下がりながら

手作業で苗植えをしました。

 

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中腰での作業はキツく大変でしたが、

上は70代の父から下は3歳の息子まで、

みんなで声を掛け合いながらの

同じことに取り組む家族での時間は、

とても充実したものでした。

 

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そして、作業後にはご馳走が待っていました!

ご馳走とは、棚田で昨シーズンに収穫した

お米で作った「塩おむすび」です。

3歳の息子も大人並みの食欲で

あっという間に完食するほど、

それはもう、疲れが吹き飛ぶ美味しさでした。

 

おむすびを食べながら、

「今日の苗が、秋にこのお米になるんだよ」

と伝えると「そうなんだー」と答えた息子。

どれくらい記憶に残るかは分かりませんが、

こうやって身をもって知ることで、

普段何気なく食べているもの、

使っているもの、一粒のお米も

大切に作ってくれる人がいるからこそ、

自分が享受できていると

感じてもらえたら良いなぁと思っています。

 

田植えから約4ヶ月。

先週末が稲刈りの日でした。

 

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自分たちで植えた稲の収穫、

半年以上前からスケジュールに入れて

楽しみにしていましたが、

緊急事態宣言中ということで

我が家は泣く泣く断念しました。

 

その代わりに、

兄家族が稲刈りをしてくれ、

当日の様子を写真で送ってくれました。

 

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こうべを垂れる黄金の稲穂。

鎌を使い中腰になって

1束ずつ稲を束ねながら刈っていくので、

田植え同様かなりの重労働になりますが、

兄家族のおかげで今年もお米をいただくことが

出来、ありがたい限りです。

 

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小さい頃に住んでいた

家の近くにも田んぼがあり、

夏はカエルの声を聞き、

冬になると稲刈り跡の切り口を

踏みながら凧揚げをしました。

 

靴底で踏んだその感触は

今でも鮮明に記憶に残っていて、

寒くなると思い出します。

 

そのむかし、日本は「みずほの国」

と呼ばれていました。

自然豊かなこの国の景色、

実り豊かな稲穂の風景から、

そう呼ばれたそうです。

 

そんなことからも、幼い頃から

稲穂を身近に感じて育ちました。

キモノの仕事に携わるようになってからは、

抱き稲穂を女紋にしています。

 

無地きものなどに紋を入れる場合、

家紋を選ぶ方が大多数ですが、

時々私のようにお好きな紋を

入れる方もいらっしゃいます。

 

時に法律結婚の場合は一方の姓が変わるため、

旧姓の紋を引き継がれる方(いわゆる女紋)、

会社のロゴマークを入れられる経営者の方、

ご自身の特徴的なポイント(眼鏡など)や

お好きなマークを入れる方、様々です。

 

オシャレ着として着る要素が高い着物には、

遊びの紋を入れて楽しむのも一興です。

 

きものは堅苦しいだけではない

愉しみ方も沢山あります。

身近な方でも、呉服店の店員さんでも、

気軽に相談できる方を見つけると

その愉しみ方を知る近道になります。

 

当店では商品の販売だけでなく、

お手持ち品に関するご相談も承っております。

お気軽にご連絡くださいませ。

 

 

MIZUHO