今年の9月29日(金)は中秋の名月です。
中秋の名月は「十五夜」とも呼ばれていますが、
新月から満月まで15日かけて少しずつ満ちて
いくことから、旧暦では新月の日から数えて
15日目の夜を「十五夜」と呼ぶように
なりました。
十五夜に月を楽しむという風習は平安時代
にまでさかのぼります。貴族の方々は
水面に映る月を見ながら宴を楽しんでいた
そうです。江戸時代になると庶民の間でも
十五夜を楽しむようになり、収穫の感謝や
豊作を願う行事となりました。
「うさぎ うさぎ なに見て はねる
十五夜 お月さん 見て はねる」
月とうさぎの関係については、実はインドの
仏教説話から来ているとも言われていますが、
この童謡「うさぎ」からも、月とうさぎは
一緒に連想されることが多いです。
満月をよーく見てみると、うさぎが餅つき
をしているように見えるというのも
昔から伝えられています。
また、お月見のお供え物といえば、
「月見団子」です。当初は、収穫への感謝と
豊作への祈りを月の神様へ捧げるものとして、
収穫した里芋などを飾っていたそうですが、
お米の豊作を願う意味も込めて、月見団子に
変わりました。地域によって違いはありますが、
丸いお月さまに見立てた団子をピラミッド型
に積み上げることが多いです。
キモノの装いでは季節を取り入れますが、
帯やキモノ以外にも簡単に
季節感を出す方法があります。
帯締めで色を、帯留でモチーフを、
お月見の場合は黄色の帯締に
ウサギの帯留めはいかがでしょうか。
帯留はブローチでも代用できます。
ススキを飾り、月見団子をいただきながら、
秋の澄んだ夜空に浮かぶお月さまをゆっくりと
眺めてみるのもいいですね。