西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

「中秋の名月」

2023.09.26

 

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今年の9月29日(金)は中秋の名月です。
中秋の名月は「十五夜」とも呼ばれていますが、
新月から満月まで15日かけて少しずつ満ちて
いくことから、旧暦では新月の日から数えて
15日目の夜を「十五夜」と呼ぶように
なりました。

 

十五夜に月を楽しむという風習は平安時代
にまでさかのぼります。貴族の方々は
水面に映る月を見ながら宴を楽しんでいた
そうです。江戸時代になると庶民の間でも
十五夜を楽しむようになり、収穫の感謝や
豊作を願う行事となりました。

 

「うさぎ うさぎ なに見て はねる
十五夜 お月さん 見て はねる」

 

月とうさぎの関係については、実はインドの
仏教説話から来ているとも言われていますが、
この童謡「うさぎ」からも、月とうさぎは
一緒に連想されることが多いです。
満月をよーく見てみると、うさぎが餅つき
をしているように見えるというのも
昔から伝えられています。

 

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また、お月見のお供え物といえば、
「月見団子」です。当初は、収穫への感謝と
豊作への祈りを月の神様へ捧げるものとして、
収穫した里芋などを飾っていたそうですが、
お米の豊作を願う意味も込めて、月見団子に
変わりました。地域によって違いはありますが、
丸いお月さまに見立てた団子をピラミッド型
に積み上げることが多いです。

 

キモノの装いでは季節を取り入れますが、
帯やキモノ以外にも簡単に
季節感を出す方法があります。
帯締めで色を、帯留でモチーフを、
お月見の場合は黄色の帯締に
ウサギの帯留めはいかがでしょうか。
帯留はブローチでも代用できます。

 

ススキを飾り、月見団子をいただきながら、
秋の澄んだ夜空に浮かぶお月さまをゆっくりと
眺めてみるのもいいですね。