西村兄妹キモノ店

日々のお話

 

西村兄妹の交遊録③_日下雅博さん【後編】

2019.03.16

 

先週に引き続き、

「日下念珠店」の日下雅博さんとの

対談の様子をお届けします。

 

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お店は、雅博さんのおばあさまが内職で始められました。

物心ついたときから間近でモノづくりを見て育ち、

『人を大事に』というポリシーを受け継いでおられます。

「若いお客さんには数珠を直しても

出世してからで(払ってくれたら)ええよ、

ってよく言うてました。

祖母に会うためにふらっと来られて

お茶飲んでくだけの人も多かったですね」

という言葉に強く頷いてしまうのは、

ご縁を大切にする想いが常に雅博さんの中にあるから。

 

私が会長を務める京都商工会議所青年部では

安定のサポート役を務めてくれていて、

どんな選択にもしっかりとした芯を感じます。

何事もじっくり考えながらタイミングを見計らっている。

そうお伝えすると、

「あんまり考えてへんよ(笑)

まあ、心配性なんかな。だから整理しときたい」

それは、元一級建築士という経歴に

驚くよりも納得してしまう一言です。

 

会の集まりがあるときでも、

必ずギリギリまで店に立ってから駆けつける雅博さん。

「店には従業員もいますが、日下の人間が

誰かひとりはいないとな、と。

両親が留守のときには

自分が店にいたいと思ってる自分がいます」

という姿勢にこそ、雅博さんの人柄がにじみ出ています。

 

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この日は、せっかくなのでゆっくりとお数珠を見せていただきました。

いろんなお話をお聞きしながら

たくさんある中から好みのものを見つけるのは

愉しいひとときです。

 

新たな提案を考えているというお話の中で、

数珠は必ずしも丸くなくていいというスタンスには驚きました。

 

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西村兄妹キモノ店でも、もっと自由な発想で

モノづくりに向き合っていきたいと思います。

 

ヒロカズ