今回のこのモノづくり~振袖を誂える~
では、以前西村兄妹キモノ店でお振袖を
お誂えいただいたお客様の事例をもとに
どのようにお振袖が作られていくのかを
ご紹介したいと思います。
【第二回 下絵書き および 糸目糊置き】
白生地が決まって、下絵も完成したら、
次に白生地に下絵を直接描いていきます。
その際に使用するのが、青花という「つゆ草」
から絞った染料です。この青花は水に通すと
消える性質があり、京友禅の下絵の作業には
なくてはならないものです。この工程は
すべての土台となる大切な作業になります。
下絵をすべて手書きで描くため大変な作業
ですが、職人さんが一筆一筆丁寧に、
心を込めて描いてくださいます。下絵が
完成したら、次は【糸目糊置き】の作業です。
糸目糊置きとは、青花で描いた下絵に沿って、
防波堤の役割である糊(のり)を置く
染色加工です。「糸目」とはの輪郭の白い線
のことをいいます。糊を置いた部分が染まらない
という性質を利用して、白く残したい部分に
糊を施していきます。
とても繊細で高い技術が必要となる作業です。
次回は地染めの工程、そして色挿しについて
お伝えいたします。