成人式の振袖がレンタル主流に
なって久しいですが、
通過儀礼の代表格ともいえる
節目にこそ自分だけの特別な
お召し物を誂えませんか。
西村兄妹キモノ店では、
2018年春よりレンタルと変わらない価格で
京友禅振袖のお誂えをはじめました。
とはいえ、イチから誂えるとなると
右も左も分からないのが当たり前。
まずは、見本となる一枚をつくることに。
地色を選び、柄を決めて。
信頼できる悉皆のプロに相談し、
それぞれの工程ごとに
最善の技量と人柄の職人さんに
注文を出します。
描くのは、おめでたい場に相応しい宝尽くし。
どこに配置するかも併せて相談します。
画像は、糊防染(のりぼうせん)の作業。
その字のごとく、
色が入らないよう糊で防ぐ染色加工で、
糊を置いた部分が染まらないという
性質を利用して白く残したいところに
糊を施していきます。
そして、染めた地色は晴れやかな気分に
寄り添うような明るい黄色。
今回、なかなかその作業を
間近で見ることができない
職人さんの工房を訪れました。
その道45年。
柄に合わせて決められた色を
丁寧にのせていきます。
宝尽くしは色が多いため、職人泣かせな柄。
「色を塗るだけなら半年あれば
誰でも出来るようになりますよ。
それよりも大事なのは、色出し。
それこそが、
友禅屋の命だと言ってもええやろね。」
何よりも悩む色出し。
バランスを考慮しながら
色を決めていく作業で、
この配色こそが仕事の3分の2を占めます。
「色出しだけで一日、二日と
かかるときもあります。
悉皆屋さんの意向に近づけるために
濃淡さまざまな色を作り出して
試行錯誤を繰り返しますね」
伸子※1で支えながら下からの熱で
乾かしながら色を指していくのです。
丁寧な筆運びはもちろん、
色の感覚こそが職人さんの腕とセンス。
悉皆屋さんが絶大なる信頼を置く所以です。
※1 伸子 -しんし-
(布をピンッと張るための竹の道具)
「出来上がったときに、悉皆屋さんに
『ええねぇ』って言うてもらえると
やっぱりうれしいね。
褒められることが目的ではないけど
やってる上は褒められたい。
自分の色を大事にしながら、柔軟に。
あんまり我を出し過ぎんようにしながら、
満足してもらえるように
寄り添うようにしてるかな。
振袖をイチから好きなように誂えるなんて
新鮮なオファーでビックリしたけど
無理とは言わへんのは職人の意地かな(笑)」
次回は、実際にご依頼をいただいている
女子高生の工房見学に密着!